漫画「迎撃戦闘隊 ニューギニア戦線」 感想

  • 自分の人生においても参考になる部分があると思いました。
  • それは人生において『焦らず希望を失わずにやっていく』という事と『人に伝える』という事です。
  • 冒頭、主人公の雲野のセリフは(致し方ないとはいえ)焦っているものばかりです。

    「そんなトロイまねしてられるか!」「なおさら急がにゃならんだろうが!」「副戦の足が遅い」「どうして同じ双発機なのにこうノロイんだよコイツは‼︎」「隼に乗ってりゃあ一緒に行けるのに!」「みんな行っちまったぜ!」

    読者の「早く戦う姿が見たい!」「撃墜する姿が見たい!」というものと重なるかもしれません。雲野は功を焦った結果、失敗してしまいます。
  • ケンカをいさめるために、上官の『戸野本中尉』が登場。
  • ここで出てくるのが、キーワードが「焦らずやる」という言葉です。
  • そんな中、雲野はさまざまな人と出会ってはさまざまな事を学んでいきます。
  • 慎重に行動した人も死んでしまう。味方のために役に立とうとして死ぬ。腕が良くても、生き残りたいと言っていた人も死んでしまう。出会った仲間が、ただ運が悪かったばかりにどんどん戦死していきます。
  • 生き残るために地位を利用して必死に危険から離れても、病気にかかって「運がなかったら」明日にも死んでしまうかもしれません。
  • 戦記ものなのでどうしても難しいのですが、この作品は大きな所でも、自分たちの人生にも重ねられるように語ってあるのではないでしょうか。
  • 雲野はもうどうすればいいか分からなくなってしまいます。
  • その後雲野は配置転換で新人パイロットしかいないような部隊へやって来ました。意気込んでいます。「絶対敵を堕としてやる!」「格闘戦なら負けない!」「次上がった時は…!」かつての自分がそうだったようにです。
  • そこで再び出てくるのが、「焦らずやんな」の戸野本中尉です。
  • 以前とは違い、同僚が頼りない事へのグチばかり出てくる雲野。
  • 「雲野お前…変わったな…。どこがどうとは言えんが…」
  • そこで戸野本は雲野に稽古をつけてやります。結果は戸野本の圧勝。
  • そこでひとこと。「雲野、お前は自分で思ってるほど一人前じゃない 仮にお前に一日の長があるとすれば、それを伝えるのがお前の役目だろうが」というものです。
  • これだな〜〜と思います。
  • これが自分にも使える部分なんじゃないかと思ってしまいます。
  • 雲野はそれから変わっていきます。ベテラン操縦者としての具体的なアドバイスが出来るようになり…。多くの人に伝える事が実践できるまでになっています。無駄に終わってしまう可能性があるけれども、それでも焦らずやる、というやつです。
  • 出来れば自分も、こういう事が出来るようになりたいと思います。人に教えられる凄い技なんてありませんし、明日すぐに身の危険にさらされることもほとんどないでしょうけども、焦らず人に伝えていく、そして希望を持って生きる事を諦めないという事をです。
  • そういう事を考えました。
  • いったん書き切ってしまったら、この記憶を元にまた正確に言いたい事が書けるようになると思います。なので、この作品について新しく記事を書く可能性があります。
  • こういうふうに作品をもとに文章を書くと自分で普段使っていない言葉が出てきたりします。
  • それがこの作品という石と自分という石がぶつかって出てきた火花みたいなものだと思います。
  • なんかそういう火花みたいなのを見る回数が増えていったら、人生が豊かになるんじゃないかと思ってます。

 

  • ちょっと思ったのですが、高取が死んだ戦闘で雲野がレバーを引かなかったら、二人とも死んでいたのではないでしょうか?
  • あれが、雲野が生きたいと思った生命力というか、本来なら普通に持っているもので、その生きたいという声を、自分だけが生き残った事で否定してしまったのではないでしょうか。